急のあたたかさと雨で、祖父母のお庭の山桜が満開になりました。お花見です。
花びらが舞い、うぐいすが鳴いています。
私が小さい頃も毎年、ゴザを敷いて、祖母がお弁当を作ってくれていました。
桜を目の前にすることができるいつもの縁側で祖父が私たちを見てくれていて。
母が作るいつものと少し違う丸みのおびた俵むすび。
アルミのお弁当箱。
赤いカゴバック。
一つ一つ思い出すことができます。
小さいながらもこうして桜を愛でていました。
山桜も祖父の好きな桜です。
実は昔、豪華絢爛なソメイヨシノや八重桜でも良かったのに、と思っていました。
それが今ではすっかり鑑賞の楽しみが変わりました。
山桜というのは全体に葉と白っぽい桜が半分半分に咲きます。
葉が風に揺られる具合、葉に光が射した透明具合、桜が余計にキラキラして見え、
一日を通して愛でるのに葉の具合がちょうどいいのです。
一日のほとんどを縁側で過ごす祖父の粋な楽しみ方を知りました。祖父は何も言わずただ嬉しそうに私たちを見てくれています。
裏の実家には桜はありませんが、母が上手に山桜の投げ入れをしています。